2019/04/11

ブラックホールシャドウやばい

歴史がやばい

今めっちゃニュースになってるブラックホール[1]. アインシュタインが一般相対性理論を考えて, シュバルツシルトがブラックホールを考えてから104年, 一般相対性理論が観測で証明されてから100年経ってる. でようやく観測. どんだけ待たせるんだよ.

普通なら「ブラックホールって光を出さないから見れなくない?」とか考える. それでもあきらめないやつらがいた. 「なら周りが光ってれば本当に『黒い穴』に見えるんじゃね?」まじコロンブスの卵. コペルニクス的転回. それに気づいたのが1979年[2]. そこから観測できる今日まで40年近くかかってる. どんだけ諦めが悪いんだよ. 諦めの悪さが世代を超えてるよ.

望遠鏡やばい

ブラックホールって遠くにある天体だからものすごくでっかいカメラじゃないと見えない. 最近はやりの複眼カメラのスマホってあるじゃん? それの超デカい版. その1か所のアルマ望遠鏡は12mのものが54台, 7mが12台, その66台が16kmの範囲に広がってる[3]. デカい. こんなのをたくさん組み合わせて観測してる. やばい. そのサイズなんと地球サイズ.

それで観測するブラックホールは6000万光年の距離にある. 1光年が地球2億5000万周分. その6000万倍の距離. やばい. それだけ遠いとブラックホールのサイズは42マイクロ秒角[4]になる. めちゃくちゃ小さい. ちなみに地球から見える太陽の大きさが0.03秒角. その1/1000000000のサイズ. ゼロが多すぎてよくわからん.

パソコンやばい

観測できたけど本当にブラックホールか?って調べないといけない. シミュレーションするためのコンピュータの処理能力は3Pflops(ペタフロップス)[5]. 普通のパソコンが100Gflopsぐらい. 普通のパソコン3万台分. マインクラフトどんだけできるんだよ.

それで観測した結果が予測とばっちり合ってる. そのために用意したモデル420パターン. 普通のパソコン3万台分のコンピュータ使って420パターン. 数の暴力がすごい.

ブラックホールシャドウやばい

こんだけ頑張って観測したブラックホールやばい. その質量太陽の65億倍. まさに宇宙一の重力実験室. これだけ重いとアインシュタインも不安になるわ. 「あれ?ブラックホール見てみたら一般相対性理論間違えてね?」ってなるかもしれない. もっとすごい理論が出てくる.

自分たちの常識を超えた現象が見つかる. それをカバーするために理論ができる. その副産物で生活が豊かになる. この繰り返し. 止まらない. まじフロンティア.

ブラックホールシャドウやばい.

[1] First M87 Event Horizon Telescope Results. I. The Shadow of the Supermassive Black Hole, The Event Horizon Telescope Collaboration, 2019, Apjl.

[2] Image of a spherical black hole with thin accretion disk, Luminet, J.-P., 1979, A&A

[3] アルマ望遠鏡とは - アルマ望遠鏡

[4] 史上初, ブラックホールの撮影に成功! - EHT-Japan

[5] 地球規模の望遠鏡とスーパーコンピュータで,ブラックホールの素顔にせまる | CfCA - Center for Computational Astrophysics

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